天気予報が外れ、小雨の中で始まった玉ねぎ植え。細い苗をそっとつまみ、まるで“土のお布団”を優しくかけてあげる子どもたちの姿には、まさに野菜への愛情がたっぷり。

畑ではオクラやニラの種取りも行い、春に向けた準備もワクワクしながら進めました。
そんな中、自分の足に農業フォークが当たってしまうハプニングがありました。次の日は痛みでお休みの連絡が入り、子どもたちは「大丈夫かな?歩けるのかな?」と本気で心配。友だちを思いやる気持ちが自然と口に出る、そのやわらかい優しさが胸に染みました。
この日は大根の収穫と切り干し大根づくりの日。畑の大根を全部抜き終わった時、「水やり頑張ってたよね」「草取りもいっぱいしてたよ」と、みんながそのお友だちの姿を思い出し、最後の大根を抜いたのを“お土産にしてあげよう”と決めました。

キャンプ場では大根を洗い、ピーラーで削っていきます。だんだん彫刻みたいな形になる大根に、「見て!こんな形になった!」と大盛り上がり。そして、名人たちは歯の大きさほどに細くした大根を、抜けた歯の中に入れて「新しい歯が生えたよ!」と技工士さながらのユニークな遊びまで生み出していました。


翌日、ケガをしたお友だちが元気に登園。手にはなんと、大きなお重。「みんなが心配してくれたから、感謝の気持ちを持ってきたよ」と蓋を開けると、サッカーボール型のおにぎりとバナナ蒸しパンがぎっしり。10時のおやつにいただくと、優しさのつまった味に子どもたちは「おいしい!」「ありがとう!」と笑顔が並び、心を通わせる素敵な時間になりました。

その日は室内で工作を楽しんだ後、森のカラフルな落ち葉を集めてジャンプ大会。

カサカサした音を振り返ると、コモドオオトカゲ!?と見間違える2人の姿。

足をケガした友だちに「痛くない?」と声をかけ、手作りの松葉づえを渡す子の姿も。本人は痛みがなかったものの、その気持ちを受け取って駐車場まで松葉づえで歩く優しさが光りました。

そして池の掃除の日。森の池を守ろうと、保護者の方々にも手伝っていただき、みんなで泥だらけになりながら落ち葉をかき出します。




途中、ヤゴや冬眠に入るトノサマガエルに出会うと、「この子たちの命を守るんだ!」と使命感いっぱいで何往復も泥を運ぶ姿は、まるで小さなスーパーヒーロー。最後はソリの上に乗ってサーフィンのように楽しむ姿まで見られ、笑顔の花が咲きました。

春の池にはオタマジャクシの赤ちゃん。夏の池には田字草や河骨、カンガレイなどの美しい草花。冬には凍った池で遊ぶ姿もきっと見られるでしょう。
午後、きれいになった池を見つめる子どもたちは、「やり切った!」と誇らしい表情。
その横顔が、何より美しく輝いていました。

雨の匂いも、土の手ざわりも、仲間を想う気持ちも、すべてが子どもたちの成長をそっと照らしてくれた一週間でした。自然の中で重ねた体験は、子どもたちの心を豊かにし、優しさや強さの芽をゆっくりと育ててくれます。これからも、その小さな芽がのびのびと伸びていきますように。
にっこにこの森には、笑いと驚き、そして発見がいっぱい。
また一緒に、元気いっぱいあそびましょうね。
たまちゃん

