みんなでついた、あたたかなお餅

強風の影響で炊事場を移動することになり、予定どおりに始められなかった今年のお餅つき。
少し戸惑いながらのスタートでしたが、そこから思いがけない光景が広がっていきました。

保護者の皆さまの力強いご協力もあり、
釜の火を守る人たちはいつの間にか「火部隊」、
野菜や具材を刻む人たちは「包丁部隊」に。
声を掛け合いながら自然に役割が生まれ、場は少しずつ温まっていきました。

ついたお餅は、鏡餅、からみ餅、そして午後のお誕生日会に向けたイチゴ大福に。
三回にわたる餅つきでは、「よいしょ!」の声とともに、
子どもたちの表情も回を重ねるごとにいきいきとしていきました。

餅をつく合間には、
空になった鰹節やあんこの袋をそっと舐めて「この味!」と確かめたり、


臼に残ったもち米やお餅を見つけては、宝物のように口に運んだり。
食べることそのものを楽しむ、素直で豊かな姿があちこちで見られました。

この日は、
「きな粉餅」「あんころ餅」「大根とあおさ餅」「海苔餅」「納豆餅」「葱とおかか餅」
たくさんのからみ餅に、具だくさんのけんちん汁。
心もお腹もいっぱいになった子どもたちでした。

準備や片付けの時間には、保護者の方の横に並び、
「次はこれ運ぶね」「イチゴ大福はどう作るの?」と、自分から動く姿も多く見られました。

そんな中、後から知って胸が温かくなった出来事があります。
誕生日会の準備中、子どもたちだけで会場予定地の落ち葉を、
箒を使って一生懸命はいてくれていたのです。
強風のためその場所は使いませんでしたが、
後で見に行くと、思わず座りたくなるほどきれいになっていました。

「みんなが気持ちよく過ごせるように」
誰に言われるでもなく動いていた、その思いがしっかりと残っていました。
目立たないけれど、誰かを思って行動できる優しい心。
その静かな成長に、私たちは深く胸を打たれました。

強風で予定が変わり、思い通りにいかないことも多かった一日。
それでも子どもたちは、不満よりも
「次に何ができるかな」「自分にできることは何だろう」と、
自然と周りを見て動いていました。

そして、心がほっこりする場面がもう一つ。
12月生まれのお友だちから、手作りクッキーのおすそ分けがありました。
クリスマスツリー、猫、くるま、ジンジャークッキー。
あまりの可愛さに机の上に飾ったり、


イチゴ大福の上にのせて“雪のオブジェ”を作ったり、

「雪のクリスマスになったよ」


「可愛くて食べられないから持って帰りたい」と話す子も。


そこには、やさしい心のやり取りがたくさんありました。

ついたお餅のやわらかさと同じように、
人を思いやる心も、あたたかく。
この日、子どもたちの中に育ったものは、
これから先もきっと、息づいていくことでしょう。

皆が帰った後、最後まで石臼を洗ってくれたお友だち。ありがとう♡

にっこにこの森には、笑いと驚きと発見がいっぱい。
さあ、次はどんな物語が待っているでしょうか。
また一緒に、元気いっぱい遊びましょうね。

たまちゃん

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